ほんとうの美しさとは、豊かさとは、何なのか―。
終戦からちょうど一年後の1946年8月15日、中原淳一(1913-1983)は自身が編集長を務める『それいゆ』を創刊すると、雑誌編集、イラストレーション、ファッション、インテリアなど、多くの領域を横断するマルチクリエイターと呼ぶべき多彩な仕事を手がけました。終戦直後、見えない未来に光を灯すような思いで手がけた雑誌制作をはじめとする数々の仕事は、女性たちの圧倒的な支持を得、また後の時代のクリエイターにも大きな影響を与えていきます。
中原の生誕111周年を記念する本展では、『それいゆ』、『ひまわり』、『ジュニアそれいゆ』など、雑誌での編集の仕事を軸にその幅広いクリエイションの全貌を紹介します。戦後の混沌とした時代に「暮らし」という視点からさまざまな提案を行った中原の仕事は、先を見通すことが難しい現在においても、私たちに多くの気づきを与えるはずです。
『111年目の中原淳一展』公式サイト https://nakahara111.exhibit.jp/
[会期]2024年4月20日(土)~6月17日(月)
[開館時間]9:30~18:00(展示室への入場は17:30まで)
[休館日]毎週火曜日
[会場]展示室D
[観覧料]
当日券 | 前売券 | ||
企画展 | 企画展・コレクション展セット | ||
一 般 | 1,000(800) | 1,150(920) | 900 |
大学生 | 600(450) | 700(530) | 500 |
小中高生 | 300(250) | 300(250) | 200 |
単位:円
※( )内は20名以上の団体料金
※小中高生の学校利用は入場無料
※各種障がい者手帳、被爆者健康手帳をお持ちの方およびその介助者(1名様まで)は入場無料
※前売券は、ローソン各店(Lコード:63978)、グラントワ総合案内カウンターで(開幕前日まで)お求めになれます。
[主催]島根県立石見美術館、しまね文化振興財団、朝日新聞社、日本海テレビ
[後援]芸術文化とふれあう協議会
[協力・監修]ひまわりや
◎企画展「111年目の中原淳一」チラシ は→ こちら(PDFファイル:3.05MB)
1章 新しい少女のために
戦前に発行されていた雑誌『少女の友』で中原の画家としての活躍が始まりました。西洋的で、大きな瞳と細長い手足をもった中原の「新しい少女」像は、現代のアイドルのように熱狂的に支持されました。そのエッセンスは後の少女漫画にも大きな影響を与えていきます。
『少女の友』第31巻第3号 1938年
ファッションブック(『少女の友』第30巻第8号付録) 1937年
2章 美しい暮らしのために
ファッション、美容からインテリア、手芸、文学、音楽、美術に至るまでー。中原は「ほんとうの意味で美しい暮らしを知る本を作りたい」と、多様なコンテンツを雑誌『それいゆ』に盛り込みました。表紙画やスタイル画、斬新なページレイアウト、そして中原の言葉に、揺るぎない美意識をみることができます。
表紙原画(『それいゆ』第37号) 1956年
SOLEIL PATTERN(『それいゆ』第25号口絵原画) 1953年
ふたりはこんな部屋に住む(『それいゆ』第14号原画) 1950年
ゆかた「リボン」 1958年
木綿の袷(あわせ)のスカート 1955年
3章 平和な時代の少女のために
戦争によって少女時代を奪われた女性たちのため、中原は1947年に雑誌『ひまわり』を創刊します。「よき女性の人生は、よき少女時代を送った人に与えられるものではないか」と情熱をもって作られた雑誌が、新しい時代の少女たちに夢を与えていきました。
表紙原画(『ジュニアそれいゆ』第6号) 1955年
ひまわり 夏休み手帖(『ひまわり』第4巻第8号付録) 1950年
屋根裏部屋の少女(『ひまわり』第5巻第9号原画) 1951年
ひまわり社商品 紙袋 1957年
4章 中原淳一の原点と人形制作
中原は少年時代、絵と読書、そして人形作りに強い関心をもっていました。10代のころにつくられた詩画集や油絵、デビューのきっかけとなった人形作品などそのキャリアの原点となった作品群と、生涯関心を寄せた人形に関する仕事を紹介します。
人形 1967年
手藝の本(『少女の友』第30巻第3号付録) 1937年
※掲載作品は全て個人蔵
©JUNICHI NAKAHARA/HIMAWARIYA
中原淳一 JUNICHI NAKAHARA
1913年 香川県生まれ
1926年 上京
1930年 上野広小路の高級洋品店のデザイナーに抜擢される
1932年 創作人形の個展開催
1935年『少女の友』の表紙絵を描く(以降1940年まで66回表紙絵を担当)
1939年 ヒマワリ社の前身となる洋飾雑貨と洋装の店「ヒマワリ」を開店
1946年 女性誌『それいゆ』を創刊
1947年 月刊誌『ひまわり』を創刊
1954年『ジュニアそれいゆ』を創刊
1970年『女の部屋』を創刊
1975年『中原淳一画集』を刊行
◎オープニングギャラリートーク
本展監修者である中原利加子さんをお招きし、作品の魅力についてお話いただきます。
[講師]中原利加子(株式会社 ひまわりや 代表取締役)
[日時]2024年4月20日(土)14:00~15:00
[会場]展示室D
参加無料 ※企画展観覧券またはミュージアムパスポートが必要
◎グラントワ・マルシェ2024
「工夫して作る楽しさ」を提案し続けた中原淳一にちなんだハンドメイドの小物づくりや、館内を巡って「111」を探すスタンプラリーなど、楽しいイベントが盛りだくさん。
美味しい食べ物も大集合します♪
[日時]2024年5月3日(金・祝)10:00~15:00 ※小雨決行
[会場]「グラントワ」中庭広場ほか
「グラントワ・マルシェ2024」の詳しい情報は → こちら
◎スペシャルトーク
中原淳一のクリエイションから影響を受けたというマツオヒロミさんに、その魅力について語っていただきます。
[講師]マツオヒロミ(イラストレーター・島根県出身)
[日時]2024年5月18日(土)14:00~15:00
[会場]講義室
参加無料 ※企画展観覧券またはミュージアムパスポートが必要
◎MUSEUM × THEATER ミューシア vol.22
中原淳一が活躍した時代に思いをはせる音楽プログラムを開催します。
[出演]かとうかなこ(クロマチック・アコーディオン)、岡崎泰正(ギター)、SiMA(ヒューマンビートボックス)
[日時]2024年6月2日(日)
[会場]「グラントワ」大ホール ステージ上
[料金]前売1,000円/当日1,500円
「MUSEUM × THEATER ミューシア vol.22」の詳しい情報は → こちら
◎ギャラリートーク(学芸員による作品解説)
[日時]2024年4月21日(日)、5月4日(土)、6月15日(土)14:00~15:00
[会場]展示室D
参加無料 ※企画展観覧券またはミュージアムパスポートが必要
◎グラントワteaガーデン「フルーツポン茶」
中原編集の雑誌『ひまわり』掲載の「フルーツポンチ」のレシピをもとにした、冷たい飲みものをふるまいます。
[日時]2024年5月19日(日)10:30~
[会場]美術館ロビー
参加無料 ※企画展観覧券またはミュージアムパスポートが必要
2024年4月27日(土)~5月12日(日)
上記の期間、小・中学生は観覧無料。家族みんなで展覧会を楽しもう!
※年齢の確認できるものを持参ください
企画展「111年目の中原淳一」図録および関連グッズをミュージアムショップにて期間限定で販売します。
[販売期間]2024年4月20日(土)~6月17日(月)
◎ 展覧会図録 「111年目の中原淳一」
価格:3,300円(税込)
監修:ひまわりや 編著:島根県立石見美術館 アートディレクション:野村勝久 判型:B5変 総頁:272頁 製本:仮フランス装
◎ポストカードセット 32枚入 3,300円(税込)/ポストカード 165円(税込)/上製ノート花の日記 1,870円(税込)/便箋セット(2種) 660円(税込)/一筆箋 440円(税込)/しおりセット 12枚入り 990円(税込)/タオルハンカチ 2,970円(税込)/アクリルオブジェ 1,001円(税込)/アクリルキーホルダー 715円(税込)/マグネット 660円(税込)/デコレーションステッカー 550円(税込)ほか 多数の関連グッズを販売しています。
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